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関東第一の先発・畠中鉄心投手が「背番号10」でエースの仕事 惜敗の決勝戦でも見せた好投、その原動力とは

2024-08-24 HaiPress

甲子園球場(兵庫県西宮市)で23日に行われた全国高校野球選手権大会の決勝で、関東第一(東東京)は惜敗したものの、先発の畠中鉄心(てつしん)投手(3年)が6回無失点の好投をみせた。春の選抜大会まで背負っていた「背番号1」を譲った夏。晴れの舞台でひた向きに腕を振った。(佐藤航)

◆「制球と変化球の質に自信がある」

京都国際戦に先発した関東第一・畠中=23日、甲子園球場で(中嶋大撮影)

0―0で迎えた六回2死二、三塁。外角低めの変化球で空振り三振を奪うと、グラブをたたいて拳を握り締めた。快速球はなくとも、丁寧にコースを突く抜群の制球力。持ち味を発揮した「背番号10」は、「制球と変化球の質には自信がある」と胸を張った。

小学1年で野球を始めたころからずっと投手で、背番号はいつも「1」。生真面目で、練習から手を抜かない。エースナンバーをひけらかすタイプではないが、努力の証しとしてひそかに誇りに思っていた。

そんな中、同学年の坂井遼(はる)投手が粗削りながら速球を武器に台頭。米沢貴光監督は悩んだ末、坂井投手に「1」を与えた。「坂井の爆発力を引き出すにはエースナンバーが必要だった。真面目で堅実な畠中なら、どちらの番号でもぶれずにやってくれる」

◆「背番号1」を譲った悔しさバネに

信頼の裏返しだが、複雑な気持ちだったのは間違いない。母の優江(まさえ)さん(46)は寮生活の息子が帰ってきた時、チームで話せない本音を聞いた。「ずっと『背番号1』を目指してやってきた。やっぱり悔しい」

それでも自らに言い聞かせるように続けたという。「背番号が何番でもやることは一緒」。坂井投手と二枚看板として切磋琢磨(せっさたくま)し、甲子園を勝ち上がった。チームを支えたその姿は、まぎれもなくエースだった。

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