2025-11-26 HaiPress
〈司書記者のミライの本棚〉
「ブックサンタ」という言葉を聞いたことはないだろうか。さまざまな事情を持つ子どもたちに新品の本を贈るチャリティー活動のことだ。あと1カ月でクリスマス。今年で9回目を迎える活動の成果と課題を探った。(谷野哲郎)

サンタにふんしたボランティアから本のプレゼントを受け取る子ども(清輔夏輝さん提供)
「サンタさん」から本をプレゼントされた子どもの顔がパッと輝く。そんな素敵(すてき)な光景が、今年も各地で見られるはずだ。「ブックサンタは今年で9回目ですが、まだまだやるべきことがあると思っています」。NPO法人チャリティーサンタ代表理事の清輔(きよすけ)夏輝さん(41)が話した。

寄付された本を仕分けする清輔夏輝さん=都内で(本人提供)
清輔さんらが手がける「ブックサンタ」は、貧困や病気などの境遇にある子どもたちに新品の本を贈る活動のこと。2017年に始め、昨年は約13万冊が集まった。
寄付のやり方は簡単だ。協賛している書店で好きな本、お薦めの本を購入し、レジで「ブックサンタでお願いします」と言って預けるだけ。後は各書店から岡山県にある専用倉庫に運ばれ、各家庭や児童養護施設、子ども支援団体に送られる仕組みになっている。
対象は18歳までの子どもたち。「絵本でも小説でも構いません。大事なのは、どこかで誰かが自分のことを考えてくれている、子どもにそう思ってもらうことなんです」。清輔さんが遠くを見るようにつぶやいた。
事務局には毎日のように便りが届く。読むのがつらい内容が多いという。

プレゼントされた本を楽しむ幼児(清輔夏輝さん提供)
「シングル家庭で収入が少なく、プレゼントが買えません」
「DV避難者です。日々の生活に余裕がありません」
「元夫のせいでメンタルが不調になり、退職しました。経済的に不安定でお小遣いも...
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