2026-01-09 HaiPress
能登半島地震からの復興を祈念し、新作能「漆供養」が25日に東京・銀座の観世能楽堂で初演される。作品には、輪島を中心とする能登の漆芸文化継承への思いが込められている。制作に携わり、シテをつとめる観世流の坂口貴信(49)は「今後、何百年とやり続けていってほしいと願って作った」と力を込める。(北爪三記)
「時間をかけた分だけ、みんなの思いが詰まっています」。しみじみと坂口は言う。「漆」をテーマにした新作能の企画が始まったのは2022年だった。国内産の漆や、原木から漆を搔(か)く職人は減り、生活様式の変化などによって輪島塗の生産額も従事者も減少傾向が続く。
こうした状況への危機感を共有したのが、石川県輪島市で漆芸職人集団「彦十蒔絵(まきえ)」を率いた漆芸家若宮隆志さんと、日本文化の継承活動に取り組む三笠宮家の彬子さま。古来、日本人の生活に深く根差した漆を巡る技と文化を、新作能を通して伝えられないか、と考えた。

新作能「漆供養」でシテをつとめる坂口貴信=東京・銀座の観世能楽堂で
相談を受けた坂口は、漆に対する思いを歌にしてはどうかと提案。彬子さまが詠んだ2首「漆てふ若木の涙固まりて神へと届く光とならむ」「傷つきて涙こぼして倒されて命伝ふる漆うるはし」を基に、作家・国文学者の林望さんが能登半島を訪ねて現地の風景や漆搔きの様子を見た上で、台本を書き下ろした。
ところが、まもなく能登半島地震が発生。「彦十蒔絵」も被災した。企画はいったん中断したが、鎮魂の芸能とされる能を被災した人たちにささげようと再開することに。被災地の漆芸職人を支援するため、クラウドファンディングも実施した。上演に向け準備が進む2025年2月、...
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