2026-08-10 HaiPress
〈挑む〉
就職活動(就活)に再挑戦の機会を。就活の最終選考で落ちた学生と、他の企業を橋渡しする採用支援を手掛ける「ABABA」(渋谷区)の久保駿貴(しゅんき)社長(29)はそう願う。6月の選考解禁で、本格化している学生の就活。「過程を評価し、努力が報われる社会に」という思いの原点には、学生時代に「就活うつ」に陥った友人の姿があった。(中沢佳子)
第1志望の大手広告代理店の最終選考で落ちた友人は、これまでの就活がゼロに戻った気持ちになり、連絡が途絶えた。話せるようになっても、「これからどうしよう」と悩み、不採用にした企業を恨んだ。「あと一歩だった頑張りを、無駄にしてはいけない」。そう考えた久保社長は、最終選考まで進んだ努力を、「実績」と認める企業に学生を紹介する事業を思い付き、2020年に起業した。

「就職活動の過程を評価し、努力が報われる社会にしたい」と語る、ABABAの久保駿貴社長=東京都渋谷区で
同社のサービスは、学生が最終選考の案内や結果通知とともに登録すると、利用企業がその実績をもとにスカウトを送る仕組み。入社が成立すれば同社に報酬が入る。学生は次の機会が得られ、企業は他社が能力や人間性を絞り込んだ人材を効率よく採用できる。現在、利用企業は3500社、登録学生は累計20万人を超え、2026年卒の内定承諾率は62.4%に上る。

ABABAに登録した学生が閲覧できる画面のデモ。企業からスカウトのメッセージが届く
最終選考で漏れるのは、必ずしも能力不足ではないという。久保社長は「社風とのずれ、性別のバランス、経営戦略などを考え、優秀な人材でも採用をやむをえず見送ることもある。学生にはどうにもできない要因だ」と指摘する。
だが、就活のストレスは小さくはない。同社の2026年卒生の調査では、54.3%が就活うつを自覚し、「死にたい」と考えた学生も56.5%に上る。「不採用になると、精神的なダメージが大きい。しかし、企業は形式的な文面の不採用通知ばかり。やむなく落とすとしても、応援の思いを込めて知らせる配慮が必要だ」
社名は、不採用になって取り乱した友人がLINEで送ってきた「あばばばばば」というメッセージから...
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