省エネ・新エネルギー車技術ロードマップ3.0（以下「技術ロードマップ3.0」）が10月22日に重慶で正式に発表されました。このロードマップは、中国工業情報化部（MIIT）の指導の下、中国自動車工程学会（China-SAE）が主催し、2,000人以上の専門家によって1年半かけて改訂・編集されました。

第32回China-SAE大会・展示会（SAECCE 2025）において、China-SAEの張金華会長は、技術ロードマップ3.0の背景と主要な内容について詳しく説明しました。

テクノロジーロードマップ3.0は、世界の自動車産業が「脱炭素化、電動化、インテリジェント化」へと移行していくことを再確認しています。今後5～15年間のパンデミック後の経済回復、気候変動対策、技術革命、そして経済のグローバル化から生じる課題と機会を分析しています。この文書は、「新しい技術、製品、産業、エコシステム、そしてグローバルダイナミクス」によって推進される未来の自動車エコシステムを想定し、2040年までの中国自動車部門の6つの主要目標を概説しています。業界全体の二酸化炭素排出量は、中国が国家目標とする2028年までの二酸化炭素排出量削減目標よりも早くピークに達し、2040年までにピーク時から60%以上削減されます。インテリジェントなコネクテッドカーである新エネルギー車（NEV）は、「事故ゼロ、死亡ゼロ、高効率」の輸送システムを実現します。NEVの普及率は80%を超え、自動車産業全体の完全電動化を推進します。車両・道路・クラウドを統合した成熟したインテリジェントコネクテッドカー（ICV）インフラエコシステムは、高度な自動運転製品の大規模導入を可能にします。自動車技術革新は、教育、技術、人材育成における相乗的な発展を促進し、中国を独創的な自動車イノベーションのグローバルハブ、そして先駆的な研究開発能力のリーダーへと位置付けます。イノベーション主導の戦略、データに基づく効率性、協調的なレジリエンス、安全な運用、低炭素の持続可能性を特徴とする現代的な自動車産業クラスターが構築され、ハイエンド、インテリジェント、そしてグリーンな開発を促進します。中国の自動車ブランドは、コアコンポーネント企業がグローバル産業チェーンに深く統合されることで、国際競争力を大幅に向上させ、中国を世界の自動車産業の強大な階層の最前線へと押し上げることが期待されます。

テクノロジーロードマップ3.0は、「将来を見据えたビジョン、体系的な連携、科学的厳密さ、進化の継続性、オープンなコラボレーション、そして公共の利益志向」という改訂原則を強化しています。テクノロジーロードマップ2.0の基礎となる「1+X」研究フレームワークを基盤として、最新の産業変革と新たなエコシステムのダイナミクスに合わせた「1+5+X」フレームワークを導入しています。このフレームワークは、「産業製品イノベーション」と「スマート自動車製造」の技術ロードマップを構造的に統合しています。

テクノロジーロードマップ3.0は、内燃機関（ICE）が自動車にとって依然として重要な動力源であり続けることを再確認しています。2035年までに、従来のエネルギー乗用車はすべて完全ハイブリッド化を達成し、2040年までにICEベースの車両（HEV、PHEV、REEV）は依然として新車乗用車販売の約3分の1を占めるでしょう。

テクノロジーロードマップ3.0は、今後5～15年間でNEVが自動車市場を席巻すると強調しています。2040年までに、乗用車におけるNEVの普及率は85%を超え、そのうち80%をバッテリー電気自動車（BEV）が占めることになります。NEV商用車は、都市部や短距離輸送から中長距離輸送へと用途を拡大します。

テクノロジーロードマップ3.0は、インテリジェントコネクテッドカー（ICV）が急速な商業化の段階に入っていることを強調しています。 2040年までに、レベル4（L4）のICVが広く普及し、レベル5（L5）のICVが市場投入を開始します。コネクティビティカバレッジ、協調シナリオ、安全性の信頼性は継続的に向上し、安全な大規模自動運転アプリケーションを実現します。

テクノロジーロードマップ3.0では、スマート自動車製造のための階層型システムと実装手法が初めて導入されます。2040年までに、品質向上、効率性向上、コスト削減、低炭素リーダーシップの原則に基づき、データの相互運用性と閉ループデータシステムを通じて、研究開発、生産、供給、販売、サービスの完全な統合が実現されます。

技術ロードマップ3.0は、公式発表後、中国語版と英語版が全世界で公開されます。China-SAEは、専門家主導による技術ロードマップ3.0の解釈を組織し、その目標と道筋について毎年評価と改訂を行い、政策立案者、産業界、学界、研究者を支援するための戦略的洞察を提供します。

技術ロードマップ3.0の概要

省エネ車および新エネルギー車技術ロードマップは、政府の技術・産業計画の支援、技術革新の推進、そして社会資源の動員において重要なツールとして機能します。国家製造戦略諮問委員会と工業情報化部（MIIT）の委託を受け、China-SAEはこのロードマップの研究、開発、そして継続的な更新を主導してきました。最初の2つの版（技術ロードマップ1.0と2.0）は、それぞれ2016年と2020年に公開され、実施の進捗状況を追跡するための年次動的評価メカニズムも構築されました。自動車技術は現在、最先端のイノベーション、破壊的なブレークスルー、そして産業エコシステムの体系的変革を特徴とする急速な進歩を遂げています。こうした新たな変化と進化するトレンドに対応し、15年間の自動車技術開発の道筋を示し、次世代自動車エコシステムのガバナンス枠組みを強化することを目的とした技術ロードマップ3.0の改訂は、世界の自動車業界全体の共通の課題となっています。この要請に応えるため、China-SAEは2023年12月に技術ロードマップ3.0の改訂を開始し、自動車、エネルギー、輸送、素材、通信、AIなどの関連分野から国内外2,000人以上の専門家を動員しました。18ヶ月以上にわたる徹底的な調査と体系的な検証（300を超える専門ワークショップ、専門家パネル、チーム間レビュー、編集会議など）を経て、世界中の業界関係者のコンセンサスに基づく技術ロードマップ3.0が完成しました。

テクノロジーロードマップ3.0ワーキンググループの連絡先

グループ全体連絡先

Lin Yan

電話番号: 13810890325

メールアドレス: linyan@sae-china.org

Chen Min

電話番号: 13810027168

メールアドレス: chenmin@sae-china.org

Zhuang Ziruo

電話番号: 18801375735

メールアドレス: zzr@sae-china.org