2025-11-21 HaiPress
全国の信用金庫による中小企業の大商談会「2025よい仕事おこしフェア」(東京新聞特別協賛)が26、27の両日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれる。出展企業3社を紹介する。(古川雅和)
タマチ工業(東京都品川区)
過酷なモータースポーツ「ル・マン24時間レース」の車の部品から、冠動脈に使うステントなどの医療機器、ロケットの部品まで、国内企業を中心に120社を超す企業からくる試作の依頼に応え続ける。掲げるのは将来を自ら開拓していく「未来歴史づくり」だ。

モータースポーツ用の部品製作などを手がけるタマチ工業の高松賢介社長=東京都品川区で
創業から63年、前身の「オオタ自動車」は戦前に東京・巣鴨で飛行機エンジンを試作。小型車製造にも事業を広げて第1回全日本自動車競走大会(1936年)の国産小型レースで優勝した。高松賢介社長(53)は「モータースポーツの部品がわれわれの根幹」と、さらに高まる技術力に胸を張る。
社員の約8割を占めるのが加工や成形、研磨に取り組む技術者。一筋縄ではいかないこともある依頼の図面に向き合いながらも「やってみないと分からない。技術的にできない、と断ったことはない」と自分たちの力を信じている。
わっふる日和(東京都大田区)
食べ物は価格か品質のどちらを重視するか。物価高の昨今、悩みを持つ消費者に安心・安全で、価格的にも「バランスのいいものを食べてほしい」と、石橋和規(かずのり)社長(49)が販売するのは手焼きワッフルだ。フルーツ入りのふわりとしたワッフルは1個400〜500円台で販売。出身地の千葉県産を中心に各地のイチゴ、メロンなど「おいしいフルーツを生かすための商品」に作り上げた。

フルーツをたくさん使ったワッフルを紹介する石橋和規社長=東京都大田区で
東京都大田区に2店舗、千葉市緑区で1店舗をいずれも駅近くで運営。駅のポップアップにも力を入れ落花生を使った商品もある。
主力店がある大田区は「昔ながらの心のつながりがある」一方、商品にも厳しい目が向けられる。「だから、誇れるものをつくることができる」と1枚ずつ店舗で手焼きし、一切の妥協はない。「地元の人にできたてを食べてほしい。小さいお子さんがいる家庭では、ぜひ」と力を込めた。
丸高工業(東京都品川区)
人が寝静まった後の改修工事や炎天下で長時間働くことが日常の建設業。騒音や振動など現場につきものの問題を解消する工具や機材の「サイレントシステム」が建設業界の変革を生んでいる。

工事現場の消音仮設壁の前で施工時の振動・騒音を抑えるサイレントシステムのドライバーを紹介する高木一昌社長=東京都豊島区で
ドライバーやドリルは静音化され回転数も上がり、施工スピードがアップ。上下階の騒音や振動は抑えられ、消音仮設壁で隣室への音漏れを防ぐ。窓の外から聞こえる車の音の方が大きいほどで、店舗や病院の営業・診療時間中でも、施工が可能になった。
若手の離職が増える業界で「社員を幸せにしていないのではないか」との思いから高木一昌社長(66)が開発に着手。その効果で離職も一気に減った。
「人のために働く。それが生きがい」と、リニューアルイノベーション協会を立ち上げ、システムの利用拡大に取り組む。目標は「人類の進歩と向上に貢献すること」だ。
よい仕事おこしフェア「日本を明るく元気に」「信用金庫による地域創生」をテーマに、全国から500を超すものづくり企業や食品、地域特産品を扱う企業、自治体・学校などが集まる。全国の信用金庫でつくるよい仕事おこしフェア実行委員会(事務局・城南信用金庫)が年に1回開催する。2012年に第1回が開かれ、今回で13回目。東京新聞のブースでは地域情報アプリ「Lorcle(ロークル)」や”街の冒険”を楽しむウオーキングイベント・ツアーガイドアプリ「タウントレック」を紹介する。入場無料。
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