2026-09-03 HaiPress
雨水をビールにして飲む。酔っぱらいの夢のような実験が武蔵野市であった。
戯れではない。豪雨による被害が相次ぐ今、雨水と私たちの関わり方を考えたい──。琥珀(こはく)色に輝く液体に大きな願いが込められている。(石原真樹)

「雨みずビール」=東京都武蔵野市で(坂本亜由理撮影)
「ほどよいホップの苦みがある」「まろやか」。8月中旬、できたての「雨みずビール」がお披露目された。記者も一口。雑味がなく濃い味わいで飲みやすい。
ビールの仕込み水は、武蔵野市に降った雨水100%だ。一般家庭や公共施設にある雨水タンクなどで水質検査をクリアしたものから集めた。自宅にある大型のかめにためた水を提供した市橋綾子さん(73)は「うちの雨水がこんなにおいしいビールになるなんて」と満面の笑み。
企画した「雨ともプロジェクト」の尾崎昂嗣(たかつぐ)さん(41)によると、雨水を集めたのは6月。黄砂の多い春先を避け、雨量が多く大気がきれいな梅雨時を選んだ。水は中央大人間総合理工学科の山村寛研究室が作った装置でろ過し、煮沸殺菌。食品衛生法で定める水質基準を満たしているか専門機関で検査し、330リットルの仕込み水ができた。

武蔵野市の雨水で造られたビールで乾杯する人たち=東京都武蔵野市で(坂本亜由理撮影)
醸造は市内のブルワリー「swivel&knot」(スイベルアンドノット)が担った。水道水に含まれるマグネシウムやカリウム、カルシウムの量は日々変動するため酸性・アルカリ性の度合いを調整するが、雨水はミネラルを含まないため調整が不要。見木久夫社長(46)は...
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